上野まり子のアジアンスター

世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶 3月3日〔土〕公開

世界最古の洞窟壁画3D忘れられた夢の記憶

こんにちは 上野まり子です。
3D映像ならではの作品「世界最古の洞窟壁画3D忘れられた夢の記憶」が3月3日(土)から3週間限定で特別上映される。

ショーヴェ洞窟遠望 1994年12月、南仏アルデシュ県で三人の洞窟学者が発見した洞窟。その奥に260を越える動物画を含む総数約300点もの美しい壁画が発見された。洞窟は発見した学者ジャン・マリー・ショーヴェに因んでショーヴェ洞窟と名付けられた。壁画はこれまで世界最古されていたラスコー壁画より更に1万7千年遡る3万2千年前に描かれたと判定された。フランス政府はその重要性と貴重な遺跡を守るために、一部の学者や研究者のみに立ち入りを許諾しただけで、一切非公開としてきた。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督

そして、世界で初めてこの洞窟の映画撮影が許可された。 スタッフを率いたのはドイツが誇る世界的巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督。『生の証明』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞して以来、多くの国際映画祭で受賞を重ね、フィクション、ノンフィクションの境界を越えて活躍している。12歳の時に本屋のショーウィンドーに飾ってあったラスコー洞窟の馬の壁画が表紙になった本に知的目覚め、スピリチュアルな目覚めがあったと語る監督。やっとの思いで手にしたその本のページを開いた時の興奮、そして感じた畏敬と驚異の念は今も監督の心を捉え離さないという。

撮影が許可となったのは1日数時間と僅かな日数。スタッフは4名、持ち込める機材は手に持てる数のみ。これまで3D映画に懐疑的だったヘルツォーク監督だが、この洞窟に入った瞬間、この洞窟の奥行きや、壁画自体の立体感は3Dでしか表現できないと確信した。現在はフランス政府により、厳重に管理されている洞窟の入り口には金属製のドア。それを開け、厳しいチェックを受けた上、狭い通路や竪穴を抜けてやっとたどり着く洞窟内部。そこに広がるのは何万年も閉ざされていた幻想的な風景。氷河期時代の動物の化石や足跡。そしてその奥には現在のヨーロッパでは絶滅してしまった野生の牛、馬、サイ、ライオンなど13種の動物の壁画が描かれている。また氷河時代の洞窟壁画ではこれまで見られなかったフクロウやハイエナ、ヒョウ等も含まれていた。壁画はスタンプ、吹き墨の技法によって描かれている。壁面の曲線や、凹凸によって生じる影を利用して描かれた壁画は3Dで撮られるべきだと新たに超小型3Dカメラを開発し、撮影を敢行した。本来の入り口は2万年前に崩れ塞がれたため、奇跡的に旧石器時代のままの状態が保持された。
3D映像はあたかもそこで見ているかのように洞窟内を立体的に映し出す。これこそまさに3D映像である意味が絶大だ。現在一般人の立ち入りが禁止されている以上、この世界的な遺産はこの映像を通してのみ、観ることが出来るのだ。撮影は『神に選ばれし無敵の男』のベター・ツァイトリンガー。音楽をミュージシャン エルンスト・レイスグル、編集に『グリズリーマン』のジョー・ビ二、マヤ・ホーク。ヴェルナー・ヘルツォーク監督と気の合う仲間が集結、私達を洞窟の奥へと案内する。日本語ナレーションは『マイウェイ〜12.000キロの旅』のオダギリジョー。
本作は2010年、トロント国際映画祭でワールドプレミア上映され、翌2011年にはベルリン国際映画祭に特別招待され、ヴィム・ヴェンダース監督の『pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』とアート3D対決として大きな話題を呼んだ。また同年アメリカ公開ではドキュメンタリー映画興行成績第1位を獲得している。

なお、ショーヴェ洞窟は2007年にユネスコの世界遺産「暫定リスト」に登録、現在正式登録を待っている状況だ。
さあ、時空を越え、忘れられた夢の記憶をたどる旅へ。

世界初披露!ショーヴェ洞窟初撮影敢行!!

世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶

3月3日〔土〕 3週間限定 初休み特別ロードショー
TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他
公式ページ http://www.hekiga3d.com/

【概要】
2010年 アメリカ/フランス
監督・脚本・ナレーション
ヴェルナー・ヘルツォーク
撮影:ベター・ツァイトリンガー
音楽:エルンスト・レイスグル
編集:ジョー・ビ二、マヤ・ホーク
配給:スターサンズ



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