ドキュメンタリー「坑道の記憶〜炭坑絵師・山本作兵衛〜」７月５日（土）公開
〜炭坑絵師・山本作兵衛〜
名もなき炭鉱夫の記憶が世界のアートに
絵を描く山本作兵衛の表情 © RKB毎日放送
2014年 7月5日(土)より
ポレポレ東中野にてロードショー! ほか全国順次公開
こんにちは 上野まり子です。
昨年の富士山に続き今年６月には富岡製糸場の世界遺産登録決定が話題となっているが、同じくユネスコが実施している遺産事業の一つが「世界記憶遺産」である。「アンネの日記」や「ベートーベン交響曲第９番自筆譜」などが登録されている。その「世界記憶遺産」に日本で初めて登録されたのが、日本一だった石炭生産地である福岡県・筑豊生まれの山本作兵衛が炭坑生活の記憶を描いた日記や絵など697点の作品群だ。
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炭坑夫だった山本作兵衛は、引退後「ヤマ（炭鉱）の姿を記録して孫たちに残したい」という想いと長男の戦死という悲しみから気を紛らわすために、熱く暗い坑内で石炭を掘る男と女の姿や道具類、共同住宅での日々の暮らしなどヤマの生活すべてを人情味溢れる筆致で描いた。生まれつき絵が好きで一時は絵描きを目指しペンキ屋に弟子入りしたこともあるという作兵衛は描き始めると時間がたつのも忘れるほど没頭したという。 |
山本作兵衛の炭坑記録画はテレビ番組で取り上げられたほか、「画文集 炭坑に生きる」、「山本作兵衛画文 筑豊炭鉱絵巻」として刊行された。 現在、584点（墨絵原画、水彩画）は炭坑社会の貴重な歴史民俗資料として福岡県有形民俗文化財に指定されているほか、田川氏が所蔵する絵画、日記、雑記帳、原稿、および山本家所有で福岡大学が保管する絵画など合わせて697点が2011年世界記憶遺産に登録という快挙を成し遂げた。
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７月５日（土）から公開されるドキュメンタリー「坑道の記憶〜炭坑絵師・山本作兵衛〜」ではそれら公的な資料として描かれた絵、ご家族や身近な人に残した原画が撮影されている。作兵衛自身の肉声はもちろん、作兵衛の子供や孫たちが祖父の思い出を語り、炭坑で働いていた女性たちがその当時のことを振り返る。RKB毎日放送の報道部副部長で本作品のプロデューサー大村由紀子氏は2011年の世界記憶遺産登録は筑豊の炭鉱の歴史に光を灯したとし、「地方の宝」を発信することは、地元ローカル局の使命だと思い企画した。昭和59年の作兵衛の死から歳月が流れたが、RKB開局以来撮りためてきた炭坑と山本作兵衛の映像がある。また過去の映像だけではなく、現役の炭坑の様子も捉え、日本の近代化を支えた人々の労働と暮らしの記録、「国境を越えた作兵衛さんの絵」を堪能してほしいとメッセージしている。 |
なお、公開記念としてトークイベントが開催される。公開初日７月５日（土）には音楽を担当した小室等氏が参加。本作の大村プロデューサーと対談が行われる他、会期中映画監督や作家が参加する予定。また13日（日）には地元田川市石炭・歴史博物館安蘇龍生館長も参加する。合わせて７月18日（金）まで山本作兵衛とも造旨の深い写真家本橋誠一氏の写真集「ヤマ（炭坑）」から写真展が特別開催されている。本橋氏が写した写真の山本作兵衛の表情か亜r作兵衛の人柄がよく伝わってくる。
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『坑道の記憶〜炭坑絵師・山本作兵衛〜』
世界記憶遺産に登録された山本作兵衛の炭坑記録画 © RKB毎日放送
【概要】
2013 年 日本
プロデューサー･構成 大村 由紀子
ナレーション 斉藤 由貴
朗 読 井上 悟
音 楽 小室 等、佐久間順平、竹田裕美子、河野俊二
協 力 作兵衛（作たん）事務所、田川市石炭・歴史博物館、 福岡県立大学他
制作・著作・配給 ＲＫＢ毎日放送
公式サイト http://rkb.jp/koudou_no_kioku/
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