上野まり子のアジアンスター

「第13回東京フィルメックス」開幕 オープニングセレモニーレポ

第13回東京フィルメックス
第13回東京フィルメックス審査員

こんにちは 上野まり子です。
いま世界が最も注目する作品をいち早く上映する映画祭「東京フィルメックス」。
11月23日(金・祝)「第13回東京フィルメックス」が開幕した。有楽町朝日ホールで行われたオープニングセレモニーでは林加奈子ディレクターが来場者、製作者、開催に当たっての協力社、協賛社、関係各位に感謝するとした上、人生はいろいろあるから苦しいけれど美しい。映画に支えられ今日の日を迎えられた。映画を愛しながら幸せになりたい。皆様と共に充実の10日間が始まると高らかに映画祭の開幕を宣言した。
12月2日までの10日間の会期中、コンペティション部門の上映の他、恒例の特別上映会では木下啓惠介生誕100年祭(東劇11月23日〜12月7日)やイスラエル映画傑作選4本の上映が行われる。
続いてコンペティション部門審査員が登壇、委員長であるSABU氏が代表し、毎年楽しみにしている映画祭で素晴らしい審査委員と共に作品を観る事が出来ることは嬉しいと挨拶した。

さてオープニング作品に選ばれたのは、先のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映された話題作『3人のアンヌ』(ホン・サンス監督)。 上映前の舞台挨拶でホン・サンス監督は多くの来場に感謝する。どんな反応か気になる。商業映画ではないので馴染みがないと思うがお楽しみいただきたいとした。

ホン・サンス 上映後にはQ&Aが行われ、ロケ地モハンはソウルから2時間半ほど離れた韓半島西側である事、7月だったがとても寒い時に撮影した事が紹介された。また主演にイザベル・ユペールをキャスティングしたのは監督自身が好きな女優であり、パリでの監督の回顧展の際にランチを共にして良い話が出来たこと、その後イザベルが写真展のためにソウルを訪れた際に出演をオファーしたことなどが明らかにされた。また現在日本で特集上映中の『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』に引き続き短編集となったことについて、映画的な実験であり短編映画を重ね、ぶつける事で新しい意味を生み出し、自分の人生を振る返る上での道具となる。また短編の中に劇中劇を入れたことについては、映画だけが作りえる構造で、その評価については観客それぞれに任せるとした。ホン・サンス作品をよく観るというファンからは映画のタイトルやキャストが手書きの事が多いが何故か?という質問に“私にとっては素敵だと思うから。”と答えている。

東京フィルメックス公式サイト

『3人のアンヌ』
3人のアンヌ
2012年韓国/89分
監督・脚本:ホン・サンス
出演:イザベル・ユペール、ユ・ジュンサン、チョン・ユミ、ムン・ソリ、ムン・ソングン
配給:ビターエンド
2013年初夏、シネマート新宿にてロードショー。
【作品解説】
大女優イザベル・ユペールを主演に迎えた話題作品。 静かな海辺の町モハンを舞台とする3つの物語から構成され、イザベル・ユペールはそれぞれの物語で異なるキャラクター 〜著名な女性映画監督、韓国人映画監督と浮気の関係にある人妻、夫と離婚したばかりの女性〜 を演じる。英語もフランス語も通じない場所にやってきたヒロインと町の人々との軽妙なやりとりがこの映画の魅力だが、特に印象に残る登場人物は3つの物語 それぞれでヒロインが浜辺で出会う軽佻浮薄なライフセーバーだ。この役を演じたユ・ジュンサンをはじめ、映画作家志望の学生を演じたチョン・ユミ、その母 を演じたユン・ヨジョンは、いずれもホン・サンス作品の常連。ユペールを交えた絶妙のアンサンブルでこの映画の世界を構築している。また、撮影当時実際に 妊娠していたムン・ソリが出演しているのも見どころ。カンヌ映画祭コンペティションで上映された。

『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』
カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ『ハハハ』を含む4作品
http://www.bitters.co.jp/4kousatsu/
現在シネマート新宿、シネマート心斎橋でロードショー。

チケットぴあ

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