上野まり子のアジアンスター

坂東玉三郎主演「ふるあめりかに袖はぬらさじ」赤坂ACTシアターで9月28日より上演

ふるあめりかに袖はぬらさじ

こんにちは 上野まり子です。
今年7月に人間国宝に認定された坂東玉三郎の舞台公演『ふるあめりかに袖はぬらさじ』が9月28日(金)から東京の赤坂ACTシアターでスタートした。
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』は有吉佐和子の最高傑作で、初演は1972年。名女優杉村春子の当たり役としてその後も長く上演され、代表作となった。そして1988年歌舞伎界の至宝坂東玉三郎が初めてお園役を演じた。あれから24年、更なる進化を遂げ赤坂に初登場だ。
杉村「ふるあめりかの」初上演からちょうど40年、坂東「ふるあめりかの」の10回目の上演となる。恋に殉じて命を落とす花魁亀遊役には宝塚歌劇団出身の人気女優の檀れい。亀遊と恋仲の藤吉役にはNHK朝の連続小説『てっぱん』や大河ドラマ『龍馬伝』に出演し、玉三郎が今最も期待をかける若手俳優松田悟志。今回坂東玉三郎は赤坂ACTシアターのために、舞台セット、照明、衣装にいたるまで細部にわたり監修した。

「ふるあめりかに袖はぬらさじ」囲み取材

初日を前にした9月27日(木)に囲み取材と舞台稽古が一部公開された。
【囲み取材】
舞台の初日を迎える祓えの為にやや遅れて開始された囲み取材には、主演坂東玉三郎氏を中央に檀れいと松田悟志が両脇を固め、まずはフォトセッションに応じた。
新たなキャストを迎え、いつものACTシアターとは違う感じで楽しみだと玉三郎氏。檀さんは化粧をして衣装を着けてみると世界観が違うとそれぞれ意気込みを語った。また松田氏は急に緊張してきたと明日初日を迎える気持ちを素直に表現した。

「ふるあめりかに袖はぬらさじ」囲み取材 坂東玉三郎氏は7月に人間国宝となってから東京での初舞台となる。あれから3ヶ月分は成長しているのではと笑いを誘った。 ところで坂東玉三郎は男性ばかりの歌舞伎界、檀れいは女ばかりの宝塚歌劇団出身。そこで初主演の印象は?という質問。タカラヅカは知っている世界であり、共通点もあって分かり合えると玉三郎氏。つい最近も久しぶりに観に行ったそうだ。一方檀さんは共演にあたり、私で良いのかと思ったそうだ。玉三郎氏のものづくりへの姿勢や厳しさに清々しささえ感じた。人間的にも芸術家としてもすばらしい方で大変勉強になる。“ご一緒できて幸せです”と笑顔を見せた。多くを吸収したいと言う彼女、“大丈夫!大丈夫!”とはげまして頂き、演技指導もしていただいたが秘伝ということでご披露できないと玉三郎氏の方に向いて甘え顔。玉三郎氏はそんな後輩を優しい笑顔で包んだ。松田氏は玉三郎氏と共演できるなんて大変な事だと周りから言われるが、平常心を心がけたいと厳しい顔。実は檀れい、松田悟志も初共演。檀さんは一緒にいて楽しい人だと松田氏の印象を話し、実直で藤吉役にぴったりだとした。一方松田氏は藤吉にとって亀遊は大きな存在、全身全霊でその美しさに対じしたいと意気込みを語った。
最後に坂東玉三郎氏は最高の舞台を目指すと挨拶した。

その後、舞台稽古が一部公開された。
私はこの作品を最初は杉村春子の舞台で、幸せなことにその後、坂東玉三郎の東京での初舞台(平成元年・新橋演舞場)も拝見している。玉三郎氏は杉村先生にお許しをいただいたのでと挨拶していた。あれから24年、今回はそれらとは全く違い、現代的な演出となり笑いも盛り込まれた。途中舞台を下りて厳しい視線で指示をする玉三郎さんの凛とした姿に、本当の美しさを感じた次第だ。

【公演概要】

「ふるあめりかに袖はぬらさじ」囲み取材

公演期間:9月28日(金)〜10月21日(日)
公演会場:赤坂ACTシアター

作 :有吉佐和子
演出:斉藤雅文
出演:坂東玉三郎、檀れい、松田悟志、他
9月28日(金)〜10月21日(日)
チケット発売中 演劇のチケットは!こちら
制作:松竹株式会社/TBS
主催:TBS / TBSラジオ / BS-TBS
公式HP
写真;岡本隆史

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