上野まり子のアジアンスター

映画『LIGHT UP NIPPON-日本を照らした奇跡の花火-』坂本龍一トークショーレポ

LIGHT UP NIPPON

こんにちは 上野まり子です。
夏の風物詩と言えば<花火>、真夏の夜空で威勢良く弾けて咲く。だが昨年は東日本大震災、福島の原発事故と悲しい事が続き、様々な行事が中止となった。その中の一つに「東京湾花火大会」もあった。

高田佳岳

打ち上げられる予定だった花火はどうなるのだろう?と疑問を持った人がいる。「LIGHT UP NIPPON」発起人で、大手広告代理店に勤める高田佳岳氏がその人だ。相次いで中止となる様々なイベントに対し、花火を打ち上げることで東北を、そして日本を元気にしようと被災地である東北の太平洋沿岸10箇所で同時に花火を打ち上げたのが昨年の8月11日。被災から1ヶ月も経たない4月には現地入りし、地元の人々に話を聞き、協力を得て幾多の困難を乗り越えての花火大会実施となった。その活動を追いかけた900時間に及ぶ映像をまとめたドキュメンタリー映画『LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火』が現在全国ロードショー中だ。

坂本龍一

7月9日には、同プロジェクトの発起人の一人である湯川篤毅氏が坂本龍一氏のPVを手がけている縁で、テーマ曲「赤とんぼ」を担当した坂本龍一氏がバルト9で行われたトークショーに登壇した。「花火を打ち上げる事で人の心を元気にする。それも復興です。」とこのプロジェクトに賛同した坂本氏は、発想がユニークだった事に加え、高田氏自身もユニークだったと話す。
“会社の仕事をほったらかしにして、大丈夫かな?”と独特の表現で協力に至った経緯を語った。
通常はそれほど重要だとは思っていなかった事も、改めて考えると普段の生活の大切さに気づかされる。
東北の人にとって花火は特別な存在、“東北の人は花火を見たいんだよね!”と坂本氏。
では発起人である高田氏はどのような思いで東北復興支援プロジェクトを立ち上げたのか。
高田氏は被害の大きかった大槌町に住んでいた事があった。お祭りに連れて行ってもらった際に見た、日頃の成果を発揮しようと練習を重ねている町民の姿が思い出された。花火が見られないのは辛いだろうと思ったという。
実は花火大会『LIGHT UP NIPPON 2012』は今年も8月11日に、東北の被災地10箇所で同時に開催される。だが現地からの報道も少なくなり、関心は薄らいで、寄付金もなかなか集まらないのが現状だ。そこで新たに考えられた方法がまたユニークだ。映画の鑑賞料金の利益の一部が花火大会「LIGHT UP NIPPON」に寄贈されるという方法に加えて、PC,スマートフォン、タブレット端末で視聴可能なオンライン上映を実施、鑑賞料金が復興支援花火に変わるという方法だ。¥1,200の鑑賞料金に加え、花火3号玉、5号玉、10号玉の打ち上げ付き鑑賞プランも販売。今後の支援活動に役立てたいと話した。
<鑑賞プラン>など詳しくはこちらhttp://lightupnippon.jp/movie/
高田氏は昨年の経験で改めて、信じる事に飛び込んでやってみて良かった。楽しく、好きなことを信じたからこそ進めて行けた。日本中が前向きに考えるきっかけになればと希望した。
坂本龍一氏は音楽ビジネスも衰退している。何につけても慣習に囚われず、新しい事を始めるのはソフト産業としては当然の流れ。国の形は国民によって出来ていると言える。困難な時代には黒沢明のような偉大な人物が出てくる。“高田さんには、その可能性がある!”とメッセージした。

高田佳岳&坂本龍一

東北復興支援プロジェクト「LIGHT UP NIPPON 2012」
<概要>
■開 催 日 程:2012年8月11日(土)19:00一斉打ち上げ
■開催予定地
岩手県: 山田町 大槌町 釜石町 大船渡市
宮城県: 気仙沼市 石巻市雄勝 多賀城市
福島県: 相馬市 南相馬市 会津美里町 広野町 いわき市
公式ページhttp://lightupnippon.jp/


映画『LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火』
LIGHT UP NIPPON 日本を照らした奇跡の花火
© 2012 LIGHT UP NIPPON PARTNERS
全国ロードショー中
上映期間:7月7日〜7月20日

【概要】
監督:柿本ケンサク
プロデューサー:湯川篤毅
撮影:AKKI ナレーション:黒木瞳
テーマ曲:「赤とんぼ」by Ryuichi Sakamoto
音楽:坂本龍一 / コトリンゴ(commmons)
配給:ティ・ジョイ
公式HPhttp://lightupnippon.jp/movie/
*オンライン上映は専用ページ<KINEZO CINEMA>にてVODによる視聴
詳しくはこちら
その他、DVD同時発売、自主上映の希望も募集中。もちろん劇場には募金箱も設置中。

東北の被災地への支援はこんなユニークな方法もある。各自が東北の被災地を、福島の原発事故で避難を余儀なくされている方々を再び振り返るきっかけとし、更なる復興の力となれば嬉しい。



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